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坊主にしてくれと言った少女
2017年10月、米国アイオワの美容師ケイリーオルソン氏の美容院に、15歳の少女が「坊主にしてくれ」と言って来店しました。少女は重いうつ病で、トイレに行くときだけ起き上がる生活を長く続け、髪もブラシすることができなかったので、髪は絡まり、ぼさぼさにこんがらがった毛玉のようになっていました。しかし近々学校に戻ることができるということで、美容院に来たそうです。ケイリー氏らは2日間(実に13時間)かけて、彼女の髪をきれいに洗い、カットし、少女は笑顔を取り戻すことができました。https://www.facebook.com/kayley.olsson/posts/10203547557804822
うつになるとスキンケアができない
うつ状態になると、元気なときにはなんでもなかったスキンケア(洗顔、洗髪、お風呂など)が十分にできなくなります。起き上がって何かをする気力・体力がでないこと、自分に対する興味がなくなってしまうこと、他人に会う機会もないことなどが背景にあるのでしょう。
スキンケアを怠ると様々な肌トラブルの原因に
しかし、スキンケアをしないでいると、様々な肌トラブルにつながります。
洗顔不足は、皮脂が過剰な状態となり、脂漏性皮膚炎やニキビの原因になります。保湿ケアを怠ると、皮膚の乾燥・かゆみ・アトピー性皮膚炎の悪化を生じます。汗を拭かずにいることで汗疹(あせも)ができますし、デリケートゾーンは、かぶれ・かゆみを引き起こし、女性の場合は膀胱炎の原因にもなります。
また、入浴をしないでいると体臭が目立つようになります。
これから夏にむかって、汗・皮脂の分泌量が増えていき、肌トラブルも多くなる時期です。今回は「うつで休職中の上手な手抜きスキンケア」についてまとめます。
顔のケア
顔はメンテナンスを怠ると、テカリ・ニキビ・肌荒れなどが発生しやすく、トラブルが目立つ部位です。元気な人は、普通〜脂性肌であれば1日2回、乾燥肌であっても1日1回、洗顔ソープを用いて洗顔することが望ましいです。その際には①Tゾーンは皮脂がたまりやすいので丁寧に洗う②髪の生え際や顎などのすすぎ残しに注意③メイクはその日のうちに落とす、などを心がけるとよいかと思います。
では早速、
手抜きフェイシャルケア
○手抜きレベル1(洗面所に行くことはできる人):メイクも落とせる洗顔料を利用。メイク落とし+洗顔の「ダブル洗顔」を1度で済ませることができます。
○手抜きレベル2(動く気力がない人):ふくだけコットンのようなシートタイプの利用。
○手抜きレベル3(さらに何もしたくない人):蒸しタオルを利用。メイクをしていない場合は、顔を拭くだけでも皮脂や汚れを落とすことができます。
その他
○洗顔後や入浴後すぐに化粧水や保湿剤を使用すると吸収が良い
○枕カバーなど顔に直接つくものは清潔に保つ
ことも重要です。枕カバーの交換が大変な場合は、枕にタオルを敷いてそれだけこまめに交換すると良いでしょう。
髪のケア
頭皮は皮脂がたまりやすい場所なので、本当は毎日洗髪する事が理想です。
手抜き髪ケア
手抜きレベル1(浴室には行ける人):週1〜2回、洗髪する
手抜きレベル2:(動く気力がない人):すすぐ必要のないドライシャンプーの利用。ドラッグストアやamazon等でスプレータイプやシートタイプなど様々な商品がでています。
手抜きレベル3:(さらに何もしたくない人):ブラッシングのみ行う
ブラッシングは髪のほこりやふけを落とし、髪の絡まりを防ぐ事ができます。
ボディケア
体でもは汗や汚れが肌トラブルの原因となるので、本当は毎日全身ボディソープで洗うことが望ましいです。さらに、「入浴」はメンタルヘルスに良いという報告もあり、可能ならシャワーだけでなく湯船に浸かることもよいでしょう。
体の中で重点的にケアをしたほうがよい場所は4箇所です
①デリケートゾーン
②脇の下:アポクリン汗腺の分泌物が臭いの原因になる
③足:汗をかきやすく、常在菌が臭いの原因になる
④手:様々なものに触れて汚れやすい
この4箇所は面倒でも毎日ケアしましょう。それ以外の場所は2〜3日おきの洗浄でも良いでしょう。
手抜きボディケア
手抜きレベル1(洗面所や台所などに行くことはできる人):沐浴剤の利用。沐浴剤は「洗い流さないボディソープ」のようなもの。40℃の程度のお湯に溶かした後、タオルを浸して絞った後に体を拭きます。
手抜きレベル2(動く気力がない人):ボディシートで体を拭くだけです。デリケートゾーン用のトイレに流せるシートも市販されています。
手抜きレベル3(ボディシートの用意も面倒な人):蒸しタオルで体を拭きましょう
手抜きレベル4(さらに何もしたくない人):下着だけ毎日交換を
セルフケア自体が自己効力感に繋がります。上手に手を抜いたスキンケアを続けて肌トラブルを防いでいきましょう。